これまでにご紹介してきた 4・5歳におすすめの絵本 が11冊ありましたので、今日は改めて、「読み聞かせ時間」と「あらすじ」も一緒に、まとめてご紹介しますね。
目次
オニじゃないよ おにぎりだよ
読み聞かせ時間:6分30秒
山の中で暮らしている3匹のオニたちは、いつも大好きなおにぎりを食べています。
ある日、山に来た人間がオニに驚き、おにぎりを落として逃げていきました。
しばらくたってからそのおにぎりを見つけて食べたオニたちは、あまりのまずさに驚きます。
そして、なんと大量のおにぎりを作り出しました。
「こんなまずいおにぎりを食べているなんて、人間どもがかわいそう」
「まってろよ、今すぐおいしいおにぎりを届けてやるから」
なんとお人よしのオニたちは、なにやら勘違いをしてせっせと人間たちのためにおにぎりを作ります。
人間たちに怖がられても、そのことに全然気づかずおにぎりを届け続けるオニたち。
さて、この先はいったいどうなるのでしょう?
最初はどうなることかと思うような展開だけれど、最後はとっても明るくて楽しい気持ちになれるストーリーなので、何度でも読みたくなります。
絵本の読み聞かせ時間が6分30秒というのは結構長い方と言えますが、その長さを感じさせず、最後までお話の世界にぐっと惹きこまれますよ。
読み聞かせをしながら、最後のオチの前で自分も思わず笑いそうになってしまいます。
おしっこちょっぴりもれたろう
読み聞かせ時間:4分10秒
ぼく、おしっこちょっぴりもれたろう。
おしっこをしたあとパンツにちょっぴりもれちゃうから、いつもお母さんにおこられるんだ。
でも、いいじゃないか。ちょっぴりなんだから。
ズボンをはいたらわかんないし。しばらくするとかわくんだし。
ぼくみたいにもれたろうでこまっている人、きっとほかにもいるよね?
……おしっこちょっぴりもれたろうは、他にも自分と同じ悩みを持った人がいるに違いない、と思い、仲間を探しにでかけます。
さぁ、仲間はみつかるのでしょうか?
絵本の中では、いろいろな悩みを持った子が登場します。
「ほうれんそうが歯にはさまって取れない」「長袖の下のシャツがクシャッとなってイヤ」など、誰しも「人にわざわざ言うほどじゃないんだけど、これがちょっと悩み」ってこと、ありますよね。
私は冬に厚手の靴下を履いて部屋を歩いていると、左足のかかと部分が足の甲の方にだんだんズレてくるのがちょっとした悩みです。。
次々と出てくるみんなのお悩みの1つひとつ、「あ~、イヤよねそれ」と納得するようなものばかりなので、ヨシタケシンスケさんのセンス、さすがだなぁと読むたびに感心してしまいます。
あなたも共感できるお悩みがあるかも!?
きつね森の山男
読み聞かせ時間: 15分 30秒
きつね森のきつねたちは、いろいろな物に化けることができます。
山男がやってきたとき、きつねたちは兵隊に化けて、訓練をしていました。
なぜかというと、お城に住んでいるものすごく寒がりなお殿様がきつねの毛皮を欲しがっていて、秋にきつねたちをつかまえにやってくるのです!
山男はこの騒動に巻き込まれ、お城へ連れて行かれるのですが、大好きなふろふき大根をお殿様にごちそうすると、寒がりのお殿様もほっかほかに温まってご機嫌に。
きつね森に平和がやってきて、みんな幸せに過ごせるようになりました。
大根好きの山男は、きつね森にやってくると、広い広い大根畑を作ります。
大切に育てた大根をふろふき大根にして、これまた自分で仕込んだ葡萄酒と一緒にきゅっと味わっている場面なんて、本当においしそう♪
お城で山男がふろふき大根を作り、それを食べているお殿さまやお付きの人たちの表情も、とっても幸せそうなんですよね。
私はこの絵本を読んで、ふろふき大根が大好きになりました^^
そして絵本に出てくる登場人物、みーんなとっても魅力的です。
ちびっこちびおに
読み聞かせ時間: 7分 30秒
ひがらやまで暮らしているちびおには、ある日「人間の町に行きたい」とお母さんに頼みます。
するとお母さんは、角を隠すための帽子をちびおににかぶせ「絶対に帽子を取らないように。鬼だとばれるとひどいめにあうよ。」と注意し、送り出してくれました。
人間の町に行ったちびおには、幼稚園をみつけて中に入っていきます。
そこでちびおには、冷たい池に落ちてしまった子を助け、自分の服を着せ、取ってはいけないと言われていた帽子を、その子にかぶせてあげるのです。
ちびおにがオニだとわかったとき、まわりにいた幼稚園の子どもたちの反応は…?
この絵本を読むと、子どもたちはとても集中します。
泣いている子のためにちびおにが帽子を取ろうとする場面では、「帽子ぬいじゃだめ!」と、あちらこちらから子どもの声が聞こえてきます。
その後、ちびおにが自分の帽子を取ってかぶせたときは、「ハッ」と息を飲んだり、この先ちびおにがどうなってしまうのかを案じて自分もドキドキしている子どもたちの気持ちが、読み手の私にもすごく伝わってくるのです。
そしてオニだとばれてしまい、幼稚園の子どもたちが黙ってちびおにを見ている場面では息をつめて見守り、みんなで楽しく遊び始めたところでは、一緒に楽しさを味わっているのが感じられます^^
子どもたちがちびおにに感情移入していることが、とてもわかり、子どもたちの優しさも感じられる絵本です。
にじのみずうみ
読み聞かせ時間: 9分 40秒
みどりの森に囲まれた深い湖に、美しい水の精オンディーナが住んでいました。
森で暮らしている若い魔法使いが、小鳥たちと歌うオンディーナの声を聞きつけて、湖までやってきました。
オンディーナを一目見た魔法使いは、あっという間にオンディーナを好きになり、つかまえてお嫁さんにしようと考えました。
毎日湖にやってきてはオンディーナの隙をねらうのですが、小鳥たちがオンディーナに知らせて、いつも逃げられてしまいます。
知り合いの魔法使いに相談した魔法使いは、美しい虹を作ってオンディーナを誘い出そうとしますが、あと少しのところでまた逃げられてしまいます。
怒った魔法使いが虹をちぎって湖に投げたため、湖の水は虹の色に変わりました。
表紙だけでも伝わりますでしょうか。
思わずため息が出るような、いわさきちひろさんの絵の美しさと透明感……。
唯一無二の画家さんだなぁ、と、思わずみとれてしまいます。
いわさきちひろさんは1974年に亡くなり、没後47年経ちますが、全く古さを感じさせない瑞々しさをたたえた絵は、いまなお多くの人を魅了しています。
絵本の中のオンディーヌや虹も、うっとりするほど美しいですよ。
これはのみの ぴこ
読み聞かせ時間: 5 分 30 秒
「これは のみの ぴこ」
「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん」
というように、どんどん言葉が増えていきます。
最初は一行だった言葉が、最後のページでは15行に!
最後はどんな展開になっているのかな?
日本を代表する詩人谷川俊太郎さんの言葉と、和田誠さんのほのぼのとした絵が絶妙にマッチした絵本。
「おすもうさん」「市長」「選挙」「ホルン」など、子どもが普段使わない言葉が次々と出てくるので、とても新鮮でおもしろいです。
そして、歌手やお団子屋さん、歯医者さんにどろぼうなど、登場人物がバラエティに富んでいるのも楽しいですよ。
はじめてのおつかい
読み聞かせ時間: 6 分 15秒
ある日、5歳の女の子みいちゃんは、ママにおつかいを頼まれます。
今まで1人で出かけたことはなかったけれど、ママは赤ちゃんのお世話でとっても忙しそう。
みいちゃんはママから200円もらって、牛乳を買いに出かけました。
途中で転んで200円を落としたり、お店のおばさんに気づいてもらえなかったりと、いろいろなハプニングが訪れるけれど、みいちゃんはちゃんと牛乳を買って帰ることができるかな?
みいちゃんは初めて1人でおでかけをします。
しかも、「牛乳を買ってくる」というミッション付きです。
これまで経験したことのないことをするのって、本当にドキドキするけれど、みいちゃんはがんばって出発します。
この絵本を見る子どもたちのほとんどは、1人でおつかいに行ったことがないでしょう。
(このご時世ですし)
けれど、「初めてのことに挑戦する」ということは、誰もが経験したことがあるもの。
子どもたちは、自分の経験と照らし合わせながらみいちゃんの気持ちに共感し、無事にミッションクリアしたみいちゃんの姿を見て、ほっと嬉しい気持ちになります。
そして、また新たなことに挑戦する勇気を持てるのです。
からすのパンやさん
読み聞かせ時間: 8 分 10 秒
いずみがもりの木の上に、カラスのパン屋さんがありました。
そのカラスのパン屋さんに、4羽のかわいい赤ちゃんが生まれました。
白い子はオモチちゃん、黄色の子はレモンちゃん、赤い子はリンゴちゃん、茶色の子はチョコちゃん。
カラスのパン屋さんは、仕事に子育てに大忙し。
子どもたちのお世話が忙しくて、お店の掃除がなかなかできなかったり、パンが生焼けだったりして、だんだんお客さんが減っていきます。
そんな中でも4羽はすくすくと育ち、失敗したパンをおやつに食べていました。
あるとき友達のカラスたちが、4羽からパンをもらって食べてみるとおいしいので、みんなでお店に買いにいくことに。
子どもたちの友達がたくさん来ると聞いて、パン屋さんは張り切ってたくさんのパンを作ります。
いずみがもりの他のカラスたちまで大勢やってきて、パン屋さんは大騒ぎに!
自営業のパン屋さんは、朝早くから夜遅くまで、とっても忙しいです。
そんななか、4羽のあかちゃんカラスたちのお世話もするのは、すごく大変。
だけど、おとうさんカラスとおかあさんカラスは、一生懸命おむつを替えたり、あやしたりしながら、せっせと働きます。
そして、子どもたちの友達がパンを買いに来ると聞くと、おいしそうなパンをみんなで一緒に作るのです。
家族みんなでパンを作るほのぼのとした様子にもほっこり^^
そして、とってもユニークでおいしそうなパンがたくさんあるので、子どもと一緒に、「どのパンが好き?」と話してもいいですね。
忙しいなかでも、子どもたちへしっかりと愛情をそそいでいるカラスのお父さんとお母さんの姿に、エールを送りたくなります。
いいから いいから
読み聞かせ時間: 3 分 40 秒
ある日の夕方、雷が鳴ったあと、突然ぼくの家にカミナリの親子が現れました。
でもおじいちゃんは動じません。
「いいから いいから」
そう言って、カミナリ親子をもてなします。
ごちそうしたり、お風呂で背中を流したり…。
カミナリ親子は恐縮して、あわてて姿を消しました。
そして次の日。
なんと、おじいちゃんとぼくのおへそが消えていたのです!
「もうプールにも行けない…」
ぼくは途方にくれますが、おじいちゃんはやっぱり「いいから いいから」とにこにこ。
そこにカミナリ親子からの手紙。
中にはなんと、カミナリに取られたおへそが!
さぁ、二人は無事に、おへそを戻せるのでしょうか。
この絵本に登場するおじいちゃんは、どんな時でも全くあわてません。
いつでも「いいから いいから」と、にこにこしています。
カミナリ親子が突然やってきても、「いいから いいから」
おへそを取られても!「いいから いいから」
何事にも慌てず全てを受け入れてくれるおじいちゃんの姿に、なんだかほっとします。
みんなうんち
読み聞かせ時間: 1 分 40 秒
おおきいぞうは おおきいうんち。
ちいさいねずみは ちいさいうんち。
いろんなどうぶつ いろんなうんち。
あちらこちらでうんち。
きめたところでうんち。
いきものは たべるから
みんな うんちをするんだね
いろいろな動物の、いろいろなうんちを見ることができる絵本です。
そして、絵本の終わりの見開きも秀逸。
「いきものは たべるから」
という見開きページでキリンやライオン、ペリカン、人間のこどもが食事をしている姿を描き、
「みんな うんちをするんだね」
という最後の見開きページで、食べていた動物たちが後ろを向いてうんちをしています。
ここでもそれぞれのうんちの形が違うことが一目でわかります。
「生き物は食べたらうんちをする」という当たり前の事実ですが、
生きていくうえでとても大切なことなんだよ、と言葉ではなく感じさせてくれる絵本です。
王さまと九人のきょうだい
読み聞かせ時間: 12 分
むかしある村に、「こどもがほしい」といつも思っている、としよりの夫婦がいました。
おばあさんがさみしくて泣いていると、白い髪の老人があらわれ、「ひとつぶ飲めば、こどもがひとり生まれる」という小さな丸薬を、九つ くれました。
おばあさんが丸薬を飲むとおなかがふくれ、九人のあかちゃんが生まれたのです。
九人が大きくなったころ、王さまの宮殿の大切な柱が倒れてしまいます。
王さまは困って、「柱をもとどおりにできたものに、のぞみのほうびをとらせる」とおふれを出しました。
九人のきょうだいの1人、「ちからもち」が宮殿に行って柱を直したのですが、王さまは「ちからもち」がこわくなります。
そこで、次々と難題を出してくるのですが、九人はいったいどうするのでしょうか。
九人のきょうだいは、それぞれにすごい能力を持っています。
それはまるで、ジャンプのヒーローのよう。
ちなみに九人の名前「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」は、能力をあらわしています。
国中の誰も持てない重い柱をひょいと持つ ”ちからもち” や、高い山の上から突き落とされても、しゅうっと足が伸びて谷底まで届く”ながすね” など、すごい能力を持っている九人に、子どもたちは憧れのまなざしも向けているのかもしれませんね^^
まとめ
以上、4・5歳向けのおすすめ絵本11冊をご紹介しました。
どれもおもしろく、子どもたちにも人気の絵本ばかりなので、よかったら読んでみてくださいね^^
他の年齢の子どもたちへのおすすめ絵本は、こちらにまとめてありますので、よかったら参考にしてみてください。
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